電子証明書来たる

社長:ようやく電子証明書が来ました。

経理:申込から1ヶ月近くかかりましたね。2年で1万3千2百円也。

社長:数日で発行って話だったんですけどね。まあ、連休もあり、コロナもありではありましたから、気長に待ってたんですが。そろそろ本気で使いたいと思って、どうなってんのか問い合わせてみたら、申請時に固定電話番号を記入してなかったので認証が遅れていたとか。有り体に言えば、放置プレイってやつですか。

基盤:固定電話!

開発:ハイテクの信頼性はローテクで支えられてますね。まあ今時のハイテクというようなもんでもないですが。

社長:そうなんですよ。実際、某銀行のクレジットは固定電話確認なんです。で、基盤係が先月のギガビット回線導入の時に固定電話の電源を抜いちゃってて繋がらず、審査が遅れましたとさ。

基盤:…

社長:まあそれで結局、こっちも証明書の認証担当の人と携帯電話でやりとりして。そっからは1営業日未満でメールが届きました。それで早速ダウンロード、インストールしたので、署名してみます。こんな感じですね。

社長:メールに署名するとこんな感じ。証明書の有効期間が今日からなのがういういしいですね。

経理:最初にとった証明書がキャンペーン価格とは言え年3,300円、こちらのは2年で12,300円って妥当ですか?2つ必要なのでしょうか?

社長:んー、まあこっちの証明書は老舗の発行なんで、ルートも中間も証明書がみんなにプレインストールされてますからねー。不特定多数に確認してもらうことを考えると、これは必須です。代表取締役の署名だし、安めの実印程度。一月で言えば500円。妥当じゃ無いかな。うちはバリバリ使うわけだし。前の証明書はいろいろ練習にもなったし、もう元が取れた気がするし、何か特定用途に使い分けてもいいかなと。

開発:まあ、1日に何万回も、生成したデータに署名するかも知れないですしね。ちょっとCPU的にこの子では厳しくなるでしょうけど。てか、公式のタイムスタンパーが安く使えるかが心配。

社長:とりあえずは、「PDFとして保存」する時に署名したいですね。もう手動でやるの飽きたし。

開発:とりあえず Opera にアドオンとかですかね。わくわく。

社長:まあ、フロントエンドでやるかバックエンドでやるか、中間でやるか。どれもやってみる意味があると思います。私の今のやり方を自動化するには、WordPressのプラグインは必要な気がする。WebDavでって話は後回しかも。

基盤:Operaのアドオンを検索すると、ウェブページに署名するアドオンもありますね。これとか、5月12日に更新されているから、まだ新鮮です。

営業:全く売れてないみたいですが。

社長:ところで、役所への電子申請にも使えるんだよね?

経理:たぶん。ちゃちゃっと設定しておきます。

***

社長:で、どうなりましたか?

経理:凶と出ました。

全員:ごくり…

経理:さしあたっては特許庁と法務局への申請かなと思いまして。まず特許庁の電子申請用のアプリをインストールしようとしたのですが。Mac 版をインストールしようとしたら、こう断られました。

基盤:まあ、Apple の美的センスから見ればほぼ malicious なソフトかもね(笑)

経理:で、Windows版をインストールしたら、環境設定が化けて出ました。

開発:おお、字化けって今の時代にもまだ起こるんですね。日本の伝統芸能みたいな。

経理:で、とりあえずさっきの証明書をインストールしようとしたら拒否されました。

社長:ありゃりゃ。天下のシマンテックを発行元として認めないとは出願ソフトも高飛車だねえ。

経理:それで、以前取った証明書も試したら、こちらは、そもそも発行元が未設定との理由で断られます。

開発:発行元が未設定の証明書って意味わかんねー。

経理:それでようやく、特許庁の電子出願ソフトサポートサイトで確認したんですが、「手続者が法人の場合は、法務省 電子認証登記所の発行する電子証明書のみ利用可能です。」とありました。つまり、これまで作った証明書は使えません。

社長:私の常識は非常識だったのか。しょんぼり…

経理:そこから法務省の電子認証制度のページへと導かれるのですが、そこに死刑宣告が書かれていました。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_00028.html#044
「商業登記電子認証ソフト」の動作環境について
商業登記電子認証ソフトをご利用になる際の動作環境は,以下のとおりです(令和2年3月現在)。

OSWindows 8.1 (32bit, 64bit 日本語版)
Windows 10(32bit, 64bit 日本語版)
ブラウザWindows Internet Explorer 11
その他Adobe Acrobat Reader DC

基盤:これ、平成じゃなくて令和ですよね?

開発:終了ですね。10年後また来なさい、ってお達しでしょうか。

社長:よって被告を龍宮城へ島流しとする。

経理:ソフトの出来とかサイトの作りとか文書とか、気持ちが15年くらいタイムスリップしました。

社長:電子申請が難しいという噂は聞いてたけど、こういう意味だったんですね…

経理:そもそも証明書の重みというか有意性が違うとは言え、登記官様発行のは月1,000円相当ですから、うちみたいな零細が年に数回申請するためだけに買うというのも割に合いません。しかも、これを使って、ウェブでフォームチキチキするだけで申請できるかということはなく、コンテンツは従前の形式で作らないといけない。

開発:窓口持参、郵送、電子申請、トランスポート層が変わるだけみたいな感じですかね。

基盤:つまりアップローダ・システムみたいな。

社長:コンテンツは等価なわけだしね。ある意味、簡単には動かせないところに意味があり、信用が生まれる。お役所のレゾンデートルというか、社会のスタビライザー的な。われわれが一般的に考える電子化とは違うんだな。これは会社設立の時の作業でもホントそう思った。

経理:そういうことでうちとしては、証明書を使った電子申請は、向こう10年くらいは見送りたいと思うのですが。

全員:異議なし。


2020-0525 SatoxITS

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